コラム企画第6弾では、LGBTQ+の基礎知識をご紹介します!

数年前までは「LGBT」という言葉で認知されていましたが、現在では「LGBTQ+」「LGBTQQIAAPPO2S+」という言葉が広まっています。「+」は多様なジェンダーとセクシュアリティを意味しています。

LGBTQ+とそれぞれの意味

ここでは、多様なジェンダーとセクシュアリティを紹介していきます。「LGBTQ」に含まれているものだけでなく、「QIAAPPO2S」「+」に含まれているものも紹介します。

 

L:レズビアン(Lesbian)

 性自認が女性の人が、女性を恋愛・性愛対象とする人を指します。

 

G:ゲイ(Gay)

 性自認が男性の人が、男性を恋愛・性愛対象とする人を指します。「ゲイ」は、もともと「陽気な」「楽しい」という意味を持つ言葉で、当事者が自らを肯定的に表すために使うようになったそうです。

 

B:バイセクシュアル(Baisexual)

性自認とは関係なく、男性と女性のどちらも恋愛・性愛対象となる人を指します。

 

T:トランスジェンダー(Transgender)

身体の性と性自認が一致していない人を指します。

身体の性が男性で性自認が女性である人を「MtF」、身体の性が女性で性自認が男性である人を「FtM」と表現することが多いですが、自分が望まない性別が残ることから、それぞれ「トランスジェンダー女性」「トランスジェンダー男性」と表現することも多くなりました。

注意しなければならないのは、「トランスジェンダー=性別違和」ではないということです。「性別違和」は、身体の性と性自認が一致していないことについて、本人がネガティブな感情を持っている場合に使われます。

*近年、世界では「性同一性障害」ではなく「性別違和」「性別不合」と表現されるようになってきています。2019年にWHOが定める「国際疾病分類」が更新され、精神病という扱いから除外されたことが影響しています。

 

Q:クエスチョニング(Questioning)

自分の性自認や性的指向が明確でない人、あるいは意図的に明確にしない人を指します。

 

Q:クィア(Queer)

すべてのセクシュアルマイノリティを包括して表す言葉です。

元は「不思議な」「風変わりな」という意味を持ち、同性愛者を侮蔑する言葉でしたが、20世紀後半から、セクシュアルマイノリティ当事者が自分自身をクィアと呼ぶことで権利を主張し、現代では肯定的な言葉として広まっています。

 

I:インターセックス(Intersex)

染色体、性腺、内・外性器、ホルモン状態のうち一つ、あるいは複数が、典型的な男性・女性の特徴に当てはまらない人のことを指します。この状態は、性分化疾患(DSD)と呼ばれる先天的疾患として知られています。

例)ターナー症候群、クラインフェルター症候群、アンドロゲン不応症(AIS)

 

A:アセクシュアル(Asecexual)

他者に対して性的な魅力を感じることが少ない、あるいは全く感じない人のことを指します。

 

A:アロマンティック(Aromantic)

他者に対して、恋愛感情を抱くことが少ない、あるいは全く感じない人を指します。

「アロマンティック・アセクシュアル(Aromantic asexual)」は、他者に対して恋愛感情や性的な魅力を感じることが少ない、あるいは全く感じない人を指します。アロマンティックの中には、恋愛に興味を持っている方や、結婚されている方もいらっしゃいます。

 

P:ポリアモリー(Polyamory)

関係するすべてのパートナーの同意に基づいて複数の人と同時にお付き合いをする人、あるいは、同時に複数の人を好きになる人を指します。

 

P:パンセクシュアル(Pansexual)

男性、女性という二つの性別にこだわらず、相手の性別を認識しないため、様々な性別の人が恋愛・性愛対象となる人を指します。

 

O:オムニセクシュアル(Omnisexual)

相手の性別を認識したうえで、様々な性別の人が恋愛・性愛対象となる人を指します。相手の性別を認識するか、しないかという点で、パンセクシュアルとは異なる概念です。

 

2S:トゥースピリット(Two spirit)

北アメリカの先住民に由来するもので、性やジェンダーに関する伝統的な理解とは異なるアイデンティティを持つ人を指します。

 

+:Xジェンダー(Xgender)

自分の性別が、男性なのか女性なのか、はっきりしていない人を指します。男性でもなく女性でもない方、男性でもあり女性でもある方、性自認が流動的な方など、様々な方がいらっしゃいます。

 

+:クロスドレッサー(Crossdresser)

身体の性と性自認が一致している人が、その性別とは異なる服装を身にまとう人を指します。

 

+:トランスヴェスタイト(Transvestite)

身体の性と性自認が一致している人が、その性別とは異なる服装を身にまとう点で、クロスドレッサーと同じですが、トランスヴェスタイトは異性の服装を身に付けることで性的興奮を感じる人を指します。

 

+:ノンバイナリー(Nonbinary)

自分の性自認・性表現に、男性と女性のどちらにもあてはめようとしない人を指します。

 

このコラムで紹介していないジェンダーやセクシュアリティは、まだたくさんあります。ぜひ調べてみて下さい!

 

SOGIEとは

性のあり方には以下の4つの要素が関係しています。

 

身体の性・・・生物学上の性別を表します

性自認・・・自分の性別を持続的にどのように認識しているのかを表します

性的指向・・・自分の恋愛・性愛がどういう対象に向かうのかを表します

性表現・・・見た目や言動、一人称などで表現する性を表します

 

SOGIE(ソジー)とは、4つの要素のうち、性的指向(Sexual Orientation)、性自認(Gender Identity)、性表現(Gender Expression)の頭文字をとった総称です。SOGIEは、セクシュアルマイノリティに限らず、すべての人が表すことができます。すべての人が多様な性のあり方を持つ当事者なのです。

 

〈SOGIEの表し方〉

SOGIEは、図のように、身体の性・性自認・性的指向・性表現の4つの概念で、それぞれ男性と女性のどちらに、どのぐらい近いのか、遠いのかを当てはめて表します。自分で試してみてください!身体の性とは生まれもった性、性自認とは自分が認識する性、性的指向とは好きになる性、性表現とは服装などで表現する性を指します。

〈性のグラデーション〉

例えば、青色の色鉛筆で、塗りつぶした丸を描きます。そして、赤色の色鉛筆で同じ丸を描くと、明らかに青色の丸とは異なる色だとわかります。では、同じ青色の色鉛筆で同じ丸を描くとどうなるでしょうか?その2つの丸は同じ青色に見えても、じっくり観察すると濃さが違うことに気づくでしょう。

性のあり方もこれと似ており、「性のグラデーション」と表現します。ここまで様々なジェンダーとセクシュアリティを紹介してきたように、性のあり方は多様です。自分とは全く異なる性を持っている人もいれば、自分と同じ性を持っていても、どこか少しだけ自分とは違う部分を持っている人もいます。また、呼び方のあるジェンダーとセクシュアリティは沢山ありますが、個人の中にもグラデーションはあり、そのどれにも当てはまらないと感じている人もいるでしょう。このことに不安を覚えることがあるかもしれませんが、自分の性を無理に分類する必要はありません!

 

〈グラデーションキャンパス(グラキャン)とは〉

私たち、わたプロの国内1部(九州支部、四国支部、関西支部、関東支部)ではグラデーションキャンパス(通称:グラキャン)というイベントを開催しています!

 

グラキャンは、青や赤、プライドレインボーの6色では分類できない中間の色もゆるく繋がり、一つの社会で共存しあう未来の実現を目標に立ち上がった、若者による若者のためのプライドイベントです。

今年のテーマは「道標〜知らなかった自分を知る。なりたかった自分になる。〜」。関連情報はSNSやHPにてお知らせします!